美術館的内部空間
予てよりヨーロッパの建築、ことに美術館の内部空間に魅了されていた。その中で特設展示会場においては、建築の有する内部壁面 と新たな造作壁を見事に調和させるDouble-Peaux(ダブルスキン)の手法をしばしば体験できる。また自然光をふんだんに取り込む演出や、Plot-Vitrine(ショーウインドー)、Stele(石柱)、Niche(ニッチ)、Podium(台)などの構成により空間を調律する。そこでは、ある起立の上に喧噪と静謐が混在する。立ち止まることも、足早に通 り過ぎることも、畏怖の念をいだくことも、微笑むことも許される。より自然体でいられる空間である。

アイム・ミヤケ・デザインスタジオによるシャツブランド”アイム ザ・シャツ ウイメンズ”のデヴュー展の会場構成にあたり、 すぐさまその美術館的な内部空間を連想した。極めてシンプルな白い壁面の構成、新たな皮膚としてのウエットスーツ素材でくるみ込まれた人体群越しに、あたかもEncadree(額縁)のごとく並べれれたシャツから、快活で聡明な、凛とした姿勢を持つ女性が浮かび上がる。