お台場臨海副都心に新築されたフジテレビ本社ビル。その7階屋上庭園に面し、メディアタワーの業務エリアと一般の人々が訪れる公共エリアとの接点に位置する場所に、『フジテレビギャラリー』と、ショッピングアーケード『エフアイランド』とが計画された。ギャラリーは、下層階から大きく吹き抜けるスタジオの回りをぐるりと取り囲んだ空間にあり、コンテンポラリーアートの大作が陳列できる6mの高さの展示面を持つ。また、北側はレインボーブリッジの景観が眺められ、遮断されることのない十分な開口部かは自然光がふんだんに取り込める。ゆったりとしたエントランスロビーでは、彫刻の展示もできる。F islandは、天井高4mの中央通路を挟んで両側に配されている。ここは、フジテレビの関連商品を販売するショップで、この建物を訪れる視聴者に対するサービスの顔となるスペースでもある。商品を客が手に取りやすいレイアウトも当然ながら、番組やイベントとの連動を意識した企画販売には、壁面のビデオモニターから常に流される情報提供が、非常に効果的である。サーキュレーション(人の流れ)とフレキシビリティーはもっとも重要な要素としてとらえられている。ギャラリーからF islandへは回遊可能であり、それらの両方を満喫できる。モデュール化された家具はほとんどが可動式で計画されている。丹下健三事務所によるモダン建築の手法を内部に取り込み、経年変化のない木・石・ガラス・スチールを多用し、外観のクールなイメージよりは、むしろ温かい空間の提案を心掛けた。木製の箱のごとく、床・壁・天井のほとんどすべては木で組み立てられ、それらを柔らかな光で包み込む。中央通路には、屋上庭園から取り込まれた既存の石の床と新たに計画した木製フローリングを連結させるために照明器具を埋込んだ。建築との融合と対比を内装の理念としているが、この空間においても随所に建築との接点が見られた。そしてそれらは調律され、心地よい調和となった。